日々の暮らしと時々、分子栄養学

子どものアトピーを治すためにやったこと

アトピー性皮膚炎とは?

 

長女は3歳の頃から右手にアトピー性皮膚炎らしき湿疹がありました。

アトピーの原因を調べると、

皮膚のバリア機能の低下やアトピー素因(体質)をはじめ多くの要因が関連し発症する。

つまり原因は一つではない。強いて言えば、免疫のアンバランスでしょうか。

完治させうる治療法はなく、治療のゴールは、症状が無いか、軽微で日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に到達し、それを維持すること。

とされているので、ほぼ達成できているのかなと思います。ただ、8年近く付き合って、これは疾患と言うよりは体質で、例えば「太りやすいをどうコントロールして太り過ぎないようにするか?」みたいなことに近いように感じています。

 

治ることのない対症療法

 

もちろん当初から皮膚科には通っていました。

とても信頼している皮膚科のおじいちゃん先生で、家族全員ちょいちょいお世話になっています。

診断は的確で、素人相手に難しい話を延々と説明してくれます。私は好きでふんふんとずっと聞いているので、話が長くなります。

その先生もアトピーに関しては、あくまで対症療法です。症状が出た時にはプロトピックやステロイドなどを出していただいていました。

最初の数年は私も知識がなく、ひたすら対症療法を続けていました。

ですが、治らないのです。今なら分かる、対症療法だけでは根治しないのは当たり前ですけれど。

治ったと思って薬を辞めるとまた出てくる。いつまでたってもガサガサして痒い。

きっと、アトピーの子どもを持った全てのお母さんは、「何とかしてあげたい」って思いますよね。

私も自分の体調不良を立て直すために学んでいた分子栄養学の知識をもとに、もっと根本原因にアプローチしようと、できることを始めました。

 

腸内環境と栄養を整える

なんとなく、腸なんだろうなあと思っていました。

0歳から6歳頃まで、ずっと風邪と中耳炎を繰り返し、ほぼ毎月5日間は抗生物質を飲んでいました。

肺炎で入院したこともあるので、もし抗生物質がない時代に生まれていたら、赤ちゃんのうちに死んでしまう子だったのかもしれません。

そう思えば、抗生物質は命の恩人です。

ただ、3歳までに出来上がった腸内環境はずっと変わらない、そこを大きく変えるものの一つが抗生物質と言われています。

悪い菌も良い菌もみんな殺してしまうからです。

それを1度や2度ならず、断続的にずっと飲んでいたのですから、腸内環境が脆弱なことは間違いないと思います。

実際、6歳の頃、便総合検査(CSA)をいうものを受けて、腸を検査してもらいましたが、善玉菌の乳酸菌がとても少ない状態でした。

そこから身体全体を整えるために、乳酸菌や亜鉛、ビタミンCなどのサプリメントを摂り始めました。

でもそれだけでは症状は良くなったり悪くなったりでした。

プールに行ったりすると、塩素が刺激となってかなりひどくなったりしていました。

食事はもともと殆ど家で作っていて、内容は悪くないと思っていたので、その頃は特に変えることはありませんでしたが、何となく、アイスを食べるとひどくなるなあ、とか、小麦を控えると軽くなるなあなどは感じていました。

そこで、3年生の時に思い切って小麦を除去してみようと思いました。

 

遅延性フードアレルギー検査を受ける

私自身も副腎疲労に陥った時に、「遅延性フードアレルギー検査」を受け、小麦に対して身体が強く反応していたことが分かりました。

それまで、うどんや餃子を食べると激しい腹痛を起こしたりしていたのですが、検査を受けるまで小麦に反応していると気が付かなかったのです。

小麦を完全に除去した後に、また試しに食べてみると、内臓がネジくれるような腹痛が起き、これだったのか、と分かりました。

それから小麦が身体に及ぼす影響をいろいろと知り、小麦が娘のアトピーの悪化要因になっていることは十分あり得るなあと思ったのです。

ただ、小学生は給食を食べているので試しに1か月除去してみる。ということができません。

除去していただくためには、医師に診断書を書いてもらわなければなりません。

そこで、栄養療法クリニックにかかり、血液検査と遅延性フードアレルギー検査をしてもらいました。

結果は見事に小麦に強い反応が出ていました。

腸が悪いということは、もっといろんな食品に反応が出るかもしれないと予想していたのですが、強く反応したのは小麦だけでした。

「遅延型フードアレルギー検査」というのは、即時型アレルギーがIgE抗体によって起こるのに対し、IgG抗体を見ています。

遅延型アレルギーというのは、即時型アレルギーのように食べてすぐに反応が出ません。数時間から数日後に出ることもあると言われています。しかも、その反応は人によって様々です。検査で反応が出ても、実際には何ともない場合もあります。

私の場合は皮膚はなんともありませんが、早いときは15分後、遅いときは数時間後に腹痛が始まり、疲労感などが消えるのに3日ほどかかります。

実はこの検査、日本小児アレルギー学会ではアレルギー検査方法としては認められていません。

むしろこの検査によって除去を行うことに対しては注意喚起をしています。米国や欧州のアレルギー学会でも、遅延性フードアレルギー検査(IgG抗体を用いた検査)の診断的有用性を公式に否定しているそうです。

ですが、この検査で反応が出たものを一時的に除去することによって、体調が良くなり、腸内環境の改善につながったりするのも事実で、原因不明の体調不良に悩まされてきた人にとってはやはり有用なのではないかと思っています。

 

小学校の提出用の書類にも、遅延性アレルギーは選択肢にありません。

ドクターは番外を手書きで作って、小麦と乳製品を除去できるように書類を書いてくださいました。

その他に血液検査の結果を見て、様々なサプリメントを処方されました。

給食でパンや麺類が出る日は、米粉で作られたものを持たせます。

揚げ物などは、学校で除去食を作ってくださいます。

そうは言っても、小麦を辞めれば症状が完全に治まるほど簡単でないのがアトピーです。

悪化因子の一つにすぎません。すぐには消えませんでした。

 

漢方、生活、食事

並行して漢方のお医者さんにも相談し、長女の体質に合った黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)という漢方を出してもらいました。

体の深部(消化器など)の気を補って腹部を温め消化器機能を高める小建中湯に、体表の気を増して皮膚のしまりをよくする黄耆を合わせたもの。表と裏の両方の気を補うので虚労(体力低下状態)の方に適した処方構成となっている。

 

また、シャワーヘッドを塩素除去できるものに変え、お風呂にはエプソムソルトを入れています。

 

炎症を起こしにくくするためには、油脂を選ぶこともとても大切です。

油脂ついては別記事に書きましたが、炎症を抑える油の摂り方

普段の食事で気を付けていることは、質の良い油を使うこと、揚げ物は極力しない。

娘が大好きなので、特別な時だけ(誕生日や大晦日)にしています。

肉と魚をだいたい1日おきに食べています。もちろん野菜、海藻もしっかり食べます。

おやつはおにぎり、焼き鳥、などなど。甘いお菓子ではないものを。

幸い、ここは娘の希望とも合致しています。

和え物や納豆にちょいちょいアマニ油やえごま油を足しています。

マーガリンやショートニングは避け、バターを使います。炒め物はオリーブ油か無臭のココナツオイルか米油です。

 

治まる

そうこうするうちに、気が付けばアトピー症状は消え、きれいな肌が出来ていました。

一時は顔、特に瞼にも症状が出て真っ赤になっていた時もありましたが、すっかりなくなりました。

便秘になってしまった時や、ストレスがありそうな時は指がガサガサして痒みが出ることもありました。

ストレスは何よりも身体を痛めつけるということが良く分かります。

それも最近はなくなりました。

本人はいろいろめんどくさいと思いますが、アトピー症状が出ないようにするためにしていることは、実は現代の生活で人間の身体に負担になっていることをしないようにしていることだと思います。

少しくらいの負担ではなんともない。というのが健康なのかもしれません。

でも、彼女の手はセンサーのように、身体への負担を教えてくれていました。

できれば、好きなものを好きなだけ食べさせてあげたいと思いますが、アトピーが出ないように気を付けることは、彼女の健康を守ってくれることにもなるように思います。

 

次のステップ

もうすぐ娘も中学生になります。だんだんに親の手を離れていきます。

私が娘の不快な状態をなんとかしてあげたいという気持ちと、自分が彼女の腸を守れなかったという後悔から、あれこれ試してきました。

幸いすっかり治って、元気に育っています。

今後は時に、「そんなの食べちゃうの?」と思うものも、友達と一緒に食べることもあると思いますが、今の娘は何を食べても大丈夫。

と信じ、家ではきちんとご飯を作ってあげよう。と、心の準備をしています。

 

今も激しく成長期にて、亜鉛は摂っています。

胃に優しいタイプ

Doctor’s Best, PepZin Gl(ペプジンGI)、亜鉛-Lカルノシンコンプレックス

液体タイプはお味噌汁にも入れられて便利

(こちら、4滴と書いてありますが、4ccです)

Dr. Mercola, 亜鉛、15mg