「心身の健康」に興味が尽きず、お仕事にもしている。
だけど、今の水や空気は汚染されているからデトックスしなければならないとか、
野菜の栄養価が減っているとか、〇〇のサプリを飲んだ方が良いとか。
そういうのも時に必要かもしれないけれど、ワクワクしない。
何かが違う・・・と思っていたら、
そして、桐村里紗先生の講演を聞いたら、
自分一人の健康はあり得ない。
自分の健康を実現するには、自分だけを最適化するのではなく、自分と接続する生態系、コミュニティ、地球環境全体を最適化しなければならない。
日々の「食」を通じて、腸内環境と地球環境を最適化して、自分と自分とつながる地球の健康=「プラネタリーヘルス」を実現することを提案している。
野生を取り戻し、しっかりと土に根を張って生きることが、このデジタルネットワーク社会をサバイブするための古くて新しいネオヘルスケアだ。
とおっしゃる。
いたく共感し、ワクワクし、あ、そっちがいい。と思った。
ありがたいことに、今や自然豊かな地方に住んでも、いつでも人と繋がれる(結局デジタルネットワークには頼るのだ)
とは言え、今のところは東京の片隅から動けない。
何もかも巻き込んでやってやる!というほどの情熱もない。
数年後に実現することを胸に、密かに心にチロチロと火をくべながら、
驚くほどちっちゃな畑を始めました。
今やっているのは、おままごとみたいな、なんちゃって有機家庭菜園。
鶏ふん、牛糞、油かすを入れて、多少微生物に醗酵してもらう。
農薬は使わないけれど、まあまあ虫には喰われるので、捕まえるしかない。
追肥(鶏ふん)をあんまり入れないで様子を見ていたら、育ちもイマイチ。
まだまだ土が育ってない感じ。
と、そんな時にファスティングの山岡玲子ちゃんが、「ちちぶオーガニックリトリート」に誘ってくれたので、二つ返事で参加してきました。
坪内 浩シェフの菜園と、鶏舎を見学させていただき、
お昼にご自宅で農家飯をいただき、夜は坪内シェフのお店「クッチーナ サルヴェ」にて、イタリアンをいただくという超・贅沢なツアー。
何が贅沢って、(私も以下勝手に坪ちゃんと呼ばせていただきます)
先ず、ほぼ全て(肉魚以外)の食材が、坪ちゃん自ら、自家農園で大切に育てられたオーガニック(有機栽培と自然栽培)なのです。
年間150種類!!(果実も含む)
そんなにたくさんの野菜の名前を知りません。
卵と鶏肉をとるためのニワトリも含め、ほぼ完全な循環型有機農業。
養鶏の話もびっくりでした。
時々保健所から電話がかかってきて、「何羽死にましたか?」と聞かれるのだとか。
知りませんでしたが、通常の養鶏では結構な数の鶏が死んでしまうのだそうです。ワクチンや抗生剤を使っているのに。
そして、ニュースにはならないけれど、結構な数の鶏がちょくちょく流行り病にかかって処分されてしまうのだとか。
日ごろ、普通の卵を食べている私はちょっと複雑な気持ち。
坪ちゃんのところの鶏は、死なないどころか、ワクチンも抗生剤も無しで病気知らず。
と言い切り、腕に鶏を抱いてヨシヨシ。
醗酵食を食べているので腸内環境も良いのでしょう。鶏が歩く地面も発酵熱でウイルスが生きにくいそうです。
エサにわざわざカロテノイドを加えていないので、黄身はクリーム色です。
菜園の話に戻ると、草を刈って積み上げておくと、3年後には栄養たっぷりの「土」になるのだとか。
ふっかふかの土を見せてくれました。
微生物のいない土は土ではなく、泥と呼ぶのだそう。
虫も、益虫も、害虫も、どっちでもない虫も全てバランス。
害虫が全て居なくなったら益虫もいなくなってしまう。そうするとまた害虫が大量発生する。
という話を聞いて、つい最近畑の先生に教えてもらった菌の話とおんなじだと思いました。
もっと言えば、私たちの腸内細菌も一緒。
つまり、菌から虫から植物から、多様性とバランスが大事だということ。
そもそも、益、害、悪玉、善玉って、人間が勝手にカテゴライズしているだけなのですよね。
もともとの自然はそのままで絶妙なバランスを取り、うまいこといっている。
人がそのサイクルをぶっ壊すことなく、上手く組み込まれていけばプラネタリーヘルスも実現できるのかも。
夢みたいな話だけど、坪ちゃんのところは実現しているのだ!
そして、ベースにあるのが「愛」
なんじゃそれって思うかもしれないけれど、行けば分かる。
夜がメインのイタリアンレストランでオーナーシェフを務めることと、手間暇かかる菜園をすることは、普通に考えたらとんでもなく大変なこと。時々ニワトリが夜明けよりもだいぶ前に鳴いちゃう時もあると言っていたし。
それなのに坪ちゃんの身体には、地球のエネルギーがチャージされてるのか?
ものすごくエネルギッシュで楽しそうだった。
もちろん、ご飯は最高に美味しかったです!
おいしいなんて言葉では足りない感じ。
ランチに採れたての野菜をふんだんに使った農家飯をいただいた時は、満たされ過ぎて、夜のイタリアンよりおいしいんじゃないの?
なんて密かに思ってしまったりしましたが、さすがに夜のイタリアン全8品はまた別物でした。当たり前ですね。
ワインも、酵母すら添加せずにぶどうの持つ酵母だけで作る「ナチュラルワイン」のみ。
パンやパスタは小麦から自家製。
いつもは小麦を食べない私も有り難くいただきました。
ドルチェ2品も心に残るおいしさでした。
大切な人を誘ってまた行きたいし、自分でも美味しい循環型の菜園を作りたい!
連れて行ってくださった玲子ちゃんと、楽しい時を共に過ごした皆さんにありがとうございます。