日々の暮らしと時々、分子栄養学

小麦は悪なのか?私の思うこと/米粉ピザのランチパーティー

【米粉ピザ・ランチ会】

米粉ピザのランチ会をしました。

私は10年くらいグルテンフリーな生活をしています。

時々、本来は小麦で作るピザやグラタンやパンなどを米粉で作ると、娘たちのテンションが上がります。

それを見るのが嬉しいので、たまに作ります。

それをSNSに投稿すると、「食べたい!」と言っていただけるので、常々お伝えしたいな~と思っています。

 

が、、、パンやピザって、レシピではなくて、やっぱり「状態の見極め」がポイントなんですよね。

(そんなこと言って、割とテキトーにやっているんですが、ある程度の基準は必要ですよね。)

その「見極め」がずれてると、材料をいくらきっちり測ったとて、残念な感じになってしまう。

大体合っていれば、「わーー美味しい!💖」となる。

なので、できればリアルでお伝えしたい。

 

だけど・・・我が家はなかなか不便なところにあって来ていただくのは申し訳ない。

なんて、長いこと悶々としていたのです。

 

最近、駅近くのマンションにお住まいの友人のゲストルームに立派なオーブンがあることを知り、

テスト的に使わせていただきました。

アウェイで初めてのオーブンを使って焼くのはどうなんだろう?とドキドキでしたが、とっても楽しく美味しくできました。

やってみて、案外オンラインでもできるかも?
今後は考えていきたいなと思っています。

 

【ところで、小麦は食べてはいけないのか?】

私は、みんながみんな小麦を食べない方が良いとは思いません。

パンが魅力的すぎて、パン職人を20年やり、自分のお店も作りました。

その間、ありとあらゆるパンを食べてきました。

ドイツにも食べに行き、フランスにも学びに行き、米国のパン学校でフランス人の先生のアシスタントをしながら学びもしました。

一生パンの仕事をしようと思っていたのです。

基本的には、小麦・塩・水と酵母や乳酸菌の醗酵で作られる豊かな世界。

作るのも食べるのも大好きでした。

ですが、40歳を過ぎ、2人目の産後に自分のお店を持った頃、

過労から体力が落ち、気づかないうちに消化力も腸内環境も悪化していました。

お腹がねじれるように痛くなり、背中も痛くなり、数日ぐったりしてしまう。

ずいぶん経ってから、それが小麦を食べた時だと気が付きました。

ですから、小麦を辞めることには抵抗がありませんでした。

それより元気になりたかったのです。

パンを食べなくなってからも7年、焼き続けましたが、以来殆ど食べていません。

なんと今では特に食べたいという欲求もなく、グルテンには麻薬のような習慣性があるというのは本当のような気がします。

 

 

そうは言っても、シンプルな材料から、微生物の力を借りて、発酵という工程を経て、かくも複雑な風味や食感を作ることのできる小麦はとても魅力的です。そこに理科大好きな私はハマったのです。

これはグルテンありきで、小麦だけが持つ特性だと思います。

今はグルテンフリーの様々な代替品が簡単に手に入りますが、小麦パンのおいしさだけは小麦でしか作れないと思っています。

パン職人仲間を応援したいですし、小麦を食べても何ともない人、あるいは体調が悪くなっても食べたい人は食べていいと思っています。

少量ならなんともないから、量をコントロールして食べる。というのもアリだと思います。

 

今、日本に100歳以上の人が9万数千人いらっしゃるとか。

その中で、「小麦を食べません」という人は、あまりいらっしゃらないのではないか?

センテナリアンになれるほどの消化力がしっかりあり、腸のコンディションが良ければ、そこまで影響を受けないのではないかと思っています。(こればっかりは人によるのでしょうけれど)

 

【なぜグルテンフリーなのか?】

そうは言っても、小麦を辞めると、体調が良くなる、メンタルのもやもやがなくなる。という人はたくさんいます。

必要そうなクライアントさんにも、「一回、試しにグルテンカゼイン(小麦と乳製品)をお休みしてみる」というのをお勧めしていますが、

それだけで長年の不調が改善する方もいらっしゃいます。

私の娘もグルテンフリーカゼインフリーなどでアトピーが完治し、耳鼻科のトラブルもなくなりました。(カゼインについては今回は割愛します)

 

穀物類の品種改良を含む「緑の革命」は今から80年くらい前に始まり、ずっと品種改良は続けられています。

小麦タンパクのグルテンはより加工に適したものに変化してきています。

そのグルテンが、ヒトの消化酵素では消化が難しいたんぱく質らしい。しかも、腸の上皮細胞の結合をゆるめる物質を出させる。

本来、吸収されないはずの、未消化なまま残ってしまったペプチドが、タイトジャンクションが緩んでしまった腸上皮細胞のスキマから血中に入ってしまい、体内で異物として免疫反応が起こってしまう。

(つまり、本来たんぱく質はアミノ酸が1つ、2つまで消化され、単なるアミノ酸として腸から吸収されるはずが、もっと多くのアミノ酸が連なったペプチドのまま、バリアの弱くなった腸から身体の中に入ってしまい、忠実な免疫システムによって敵だと見なされ、様々な免疫反応が起こる)

「品種改良された現代の小麦がダメ」という話もあるけれど、それだけでもない気がします。

添加物やら、ミネラル不足やら、絶え間ないストレスやらで、ヒトの胃腸が脆弱になって、それらを助長している?

そしてグルテンを食べることで、さらに腸の炎症が進んでしまう。悪循環ループ。

 

【結局まとめ】

なので、何かしらの不調を改善したい、もう一歩パワーアップしたいなという場合は、グルテンフリーを試してみる価値はあります!!

やってみるのが一番。

最初は1か月でも良いので、完全に抜いてみると分かり易いです。

減らすだけではあまり分からないかもしれません。

醤油などの調味料は大丈夫です。(セリアック病の人は、醤油もビールもダメだそうです)

 

【食の選択肢は広がっている】

必要そうなクライアントさんに「試しにしばらく小麦を抜いてみては?」とお勧めすると、「やってみます♪」という方はあまりいらっしゃいません。

メカニズムを丁寧にお伝えすると、「ええ~!グルテンフリーやってみます」となるのですが、

よく聞くのが、「夫が好きで・・・」「子どもが好きで・・・」「何に小麦が入っていますか?」などなど

意外と、心理的なハードルが高いんだなと気づきます。

そんな時は、「ご家族は食べていただいて大丈夫です。まずは、ご自分だけ実験してみてください」とお伝えしています。

そして、普段のお食事のどこに小麦が入っているかも、詳しくお伝えしています。

 

今は代替品もなんでもあります。

我が家では、コープデリで購入できる、小林生麺の麺類を時々使っています。

近所に米粉の餃子の皮を売っているスーパーがあります。(添加物多いので、たまに)

米粉パンやピザは時間がある時には焼いています。

天ぷらやお好み焼き、ホワイトソースは米粉で普通に作っています。

 

そして、身体を整えた今では、少しくらい小麦を食べても大丈夫です。

あの、激しい腹痛の記憶がまだあるので、たくさんは食べたくないのですが。

 

食べたものの影響を知るには、一定期間、完全に辞めてみて、再び食べてみると良く分かります。

それを知った上で選択していけば、ずっと生きやすくなると思います。