少し前の話になりますが、風邪を引いた時から、起床時にクラっとめまいがするようになりました。
頭を動かすとクラっとします。下をのぞき込むような動きをしたりしてもクラっとします。
調べてみたら、「良性発作性頭位めまい症」というのにドンピシャでした。
ホームページでその症状を詳しく説明していたクリニックが割と近くだったので、行ってきました。
果たして、3分もせずに診断がつき、やはりそれでした。
どんなものか、ざっくり説明すると、耳の一番奥にある内耳にあり、平衡感覚(バランス)の情報を電気信号に変えて脳に送るお仕事をしている「三半規管」の誤作動です。
動いていないのに、「動いている」という信号が送られると、目や筋肉からの信号が一致しないために「めまい」が起こるのです。
三半規管の根っこらへんには「卵形嚢(らんけいのう)」という、垂直方向を感知する器官があって、この中に炭酸カルシウムでできた耳石(じせき)があって、頭の傾きに応じて耳石が動くと、「傾いている」という信号が脳に送られます。
耳石は常に代謝していて、はがれた細かいカスが卵形嚢に溜まっていく。
これは浮遊耳石ともいわれて、これが何かの拍子に三半規管の中に入り込んでしまうと、三半規管内のリンパ液の流れが誘発されて実際には動いていないのに、内耳から「動いている」という誤った信号が脳に送られてしまうということだそうです。
めまいで外来を受診する人の60%がこれなのだそうです。
剝がれてしまった耳石のカスを取り除くことはできないし、これを溶かそうとしたら骨まで溶けてしまうので、薬もないのだそうです。
とは言え、このめまいは良性というだけあって、さほど心配しなくても良いようです。
そして、寝返りなどの運動で訓練することで症状が軽減でき、「踵落とし運動」で予防もできるそうです。
この「踵落とし運動」が、調べてみたらすごかったです!
以前「ためしてガッテン」でも紹介されていたので、新しくもないのですが、その時はなんとなくスルーしていました。
身体をまっすぐ伸ばして両足つま先立ちして3秒キープしてから一気にトンっと踵を床に落とします。
骨に体重と動きによる加速度をかけた負荷を加えて、身体全体の骨に効率よく刺激を加えるようにします。
これを1日30回以上目標にすると良いそうです。
この刺激よって、新しく骨を作る骨芽細胞が増え、この細胞が「オステオカルシン」というホルモンを作るタイミングが早まる。
「オステオカルシン」は、インスリン分泌および感受性を促し、インスリンは、骨芽細胞内のインスリン受容体を介して破骨細胞の骨吸収を活発させる。“
つまり、耳石が剥がれるのも抑制する。というメカニズムだそうです。
しかも、この運動の効果はそれだけではないのです。ざっと見ただけで、一石七鳥!?
その① 血糖値の上昇を抑えて糖尿病を予防する!
その② 記憶力と認知機能を改善!
その③ 筋肉量を増やす!
その④ 脂肪燃焼を活性化!
その⑤ 活性酸素の産生を抑制し、免疫を上げる!
その⑥ しなやかな血管を作る。
他にもまだ出てきましたが、このくらいで。
こんな簡単な運動で、まさに、アンチエンジング。無料です!
耳鼻科の先生は少年のようにスリムで若々しい女性でしたが、私と同い年でした。
「なんか親近感がわくわ~」なんておっしゃってくださって、私は「同い年でこんなに若々しい人もいるのだ~」と嬉しくなりました。
実は、先生も1年前にこのめまいになってしまったのだとか!しかも糖尿病も発病。
そして、毎日踵落とし運動を続けていて、そのせいで若さを保っているのではないか?と言っていました。
実際、30代と言われても信じられるくらいの若さでした。
サバサバな先生で、「絶対治りますよ~」「このめまいの対策をとることで骨粗しょう症の対策にもなるし、このめまいになって良かったって後で思いますよ!」なんて言われて、私もとても明るい気持ちになりました。
患者を明るい気持ちにさせる先生って最高ですよね
めまいはしばらくして治まりました。
縄跳びでも良いようです。