日々の暮らしと時々、分子栄養学

とにかくEPA、DHA、オメガ3オイルは摂った方が良い

食べる脂質と脳内脂質の新たな腸脳相関

地曳直子さんが代表を務める、日本リポニュートリション協会のセミナーを聴講しました。

タイトルは

「食べる脂質と脳内脂質の新た腸脳相関~腸管における脂質の感知が脳神経に与える影響~」

埼玉医科大学の吉川先生が、研究方法とその結果を分かりやすくお話してくださいました。

前半は多発性硬化症のメカニズム。

多発性硬化症を抑制・予防しうる栄養素や食品、さらには有力な薬となりうる物質のお話。

多発性硬化症は、日本でも患者数がどんどん増加しているのだそうです。

 

脳の健康

後半は、腸管(小腸大腸)でn-3系脂肪酸(α-リノレン酸、DHA,EPA)を感知することで、周り回って脳の神経細胞死を抑制するよ。

と、めちゃくちゃ端折りましたが、一言で言うと、そういうお話でした。

つまり、脳の健康のためにも、お魚を食べたり、えごま油、亜麻仁油を食べ続けると良いよ。

それは、その油が脳に到達しているからではなくて、腸でそれらが感知されて、GLP-1(消化管ホルモン)が分泌されることで、神経保護効果が発揮されているから。ということでした。

GLP-1は最近「痩せるホルモン」として注目浴びていますね。

えごま油や亜麻仁油に多く含まれるαリノレン酸は、体内でEPAにまで代謝される量は少ないから、あんまり意味がないんじゃないか?という話も聞いたことがありますが、そうではなくて、しっかり意味があるということですね。

 

先生曰く、オメガ3を摂ることにはメリットしかない。とのことでした。

「でも、自分はオメガ3摂ってもそれを凌駕するラーメンを食べているから意味がない」と、自虐されていました。

ラーメンがお好きなんですね。

 

アルツハイマー病、ALS,パーキンソン病、虚血性脳症など、神経変性疾患では、興奮毒性を介した神経細胞死が起きていると言われています。

興奮毒性ってなんだそれ?って私も思いましたが、

神経伝達物質の1つであるグルタミン酸は、ちょうど良い量なら、記憶学習に重要で安全なものなのだけど、あまりにも高濃度状態となってしまうと、受容体の過剰刺激によって神経細胞が損傷したり死滅したりする現象である(ウィキより)

ということだそうです。

記憶学習を司っている海馬は、最も興奮毒性による神経細胞死が起こる部位なのだそう。

そして、興奮毒性が引き起っていると→海馬で急激なプロスタグランジンたちの産生が起こる。

(プロスタグランジンは、n-6系脂肪酸や、お肉(実はお魚にも)に含まれる油からできるアラキドン酸という物質からできる生理活性物質のこと)

中でもプロスタグランジンD2がミクログリア(中枢で免疫を担当している細胞)を活性化して神経炎症反応を起こして神経細胞死を引き起こすのだそう。

だいぶややこしいですね。私もこんがらがっています。

細かいところは飛ばして、簡単にまとめます。

まとめ

EPA、DHA(魚介類に多く含まれる)、αリノレン酸(亜麻仁油、えごま油などに多い)を食べる

腸で感知する

GLP1という消化管ホルモンが出る

脳に行く

ミクログリア(中枢で免疫を担当している細胞)のプロスタグランジンD2産生を抑える

神経細胞死を抑制(アルツハイマー病、ALS,パーキンソン病、虚血性脳症を予防する??)

 

母も、義理の母も、80を超えて物忘れがひどくなってきました。

質の良いDHA、EPAサプリをプレゼントしようと思うのですが、、、飲んでくれるかな?

私もかなりボケボケなので、意識して摂っていきたいと思います。

 

脂肪酸バランス

ありとあらゆる疾患、炎症、免疫に関わっている脂肪酸バランス。

気になる人は、日本リポニュートリション協会のサイトから、検査ができます。